メタバースにAIに深く関連し、多くの方が期待を寄せるエヌビディアの2022年第4四半期の決算速報の記事になります。2022年第3四半期は素晴らしい決算を叩き出したエヌビディアですが、今期はどのような結果になったのかみてみましょう。
エヌビディアの各事業内容を含め、こちらに詳しくまとめていますのでエヌビディアがどんな会社か興味ある方は是非読んでみてください。
今期の決算については、以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてください。
決算内容
今回の最新の決算と合わせて、これまでの推移を合わせて記載しています。
エヌビディアは、「AI、デジタル生物学、気候科学、ゲーム、クリエイティブデザイン、自律走行車、ロボット工学など、現在最もインパクトのある分野の進歩を後押ししています」と述べています。
「私たちは、事業全体に強い勢いがあり、NVIDIA AI、NVIDIA Omniverse、NVIDIA DRIVEによる新しいソフトウェアビジネスモデルで素晴らしい牽引力をもって新年を迎えています。GTCでNVIDIAコンピューティングの新製品、アプリケーション、パートナーを多数発表する予定です」とのアナウンスもありました。
1つ前の決算(2022年第3四半期)はこちらになります。
2022年 Q4 エヌビディア 売上高
結果:$7.6B(前年同期比+53%) アナリスト予想:$7.42B CLEAR!
売上は見事に予想を上まりました。この時価総額の大きい企業で成長率も前年同期比+50%以上と高い水準であると思います。Automotiveを除くすべての事業で過去最高の売上を記録したおかげです。素晴らしい!
2022年 Q4 エヌビディア EPS
結果:1.32$(前年同期比+70%) アナリスト予想:1.22$ CLEAR!
EPSもアナリスト予想を上回りました。各事業でしっかりと利益を生み出した結果でね。売上拡大と共にしっかりと利益を伸ばしていて素晴らしいと思います!
各セグメントの売上推移と成長率
Gaming、Data Center、Professional Visualizationで過去最高の売上高を記録しました!
前年同期比でみると、以下の通りです。メタバースに関連するProfessional Visualizationが+109%と高い成長率ですね。主力のData Centerも+71%としっかりと成長しています。
単位はMillion $ | 2022 Q4 | 2021 Q4 | 成長率 |
Gaming | 3,420 | 2,495 | +37% |
Data Center | 3,263 | 1,903 | +71% |
Professional Visualization | 643 | 307 | +109% |
Automotive | 125 | 145 | -14% |
Gaming事業
- 第4四半期の売上は、前年同期比+37%、前四半期比+6%の$3.42Bとなり、過去最高を記録。会計年度の売上高は前年比+61%の$12.4Bとなり、過去最高を記録。
- GeForce RTX® 3050デスクトップGPUを発売し、RTXとNVIDIA Ampereアーキテクチャの性能と効率性をより多くのゲーマーに提供
- GeForce RTX 3080 TiおよびRTX 3070 TiラップトップGPUを発売し、ゲーマーとクリエイター向けのラップトップに新しいレベルの性能を提供
- 主要メーカーによる160以上のゲーミングおよびスタジオ用GeForce®ベースのノートPCデザインを発表
- COD: Vanguard、Horizon Zero Dawn、God of War、Icarus、Rainbow Six Extractionなど、当四半期に出荷された30以上の新しいRTXゲームとタイトルを発表
- Call of Duty: Vanguard、God of War、Rainbow Six Extractionなど、より多くのAAAゲームに低レイテンシーゲームのためのNVIDIA Reflex技術を統合
- GeForce NOWライブラリに65以上のゲームを追加し、合計1,200以上。また、AT&TおよびSamsungとのコラボレーションを発表し、それぞれの顧客にGeForce Nowを提供
Data Center事業
- 第4四半期の売上は、前年同期比+71%増、前四半期比+11%の$3.26Bとなり、過去最高を記録。会計年度の売上高は前年比+58%の$10.6B億で過去最高
- MetaがNVIDIA® DGX™ A100システムでAI研究用スーパークラスターを構築することを発表
- NVIDIAとMicrosoft Azureを含むパートナー企業が、最新のMLPerfのトレーニング結果において、8つの人気ワークロードで記録を打ち立てたことで、AIにおけるリーダーシップを拡大
- NVIDIA AI Enterprise 1.1の一般リリースを発表し、VMware vSphere上のNVIDIAソフトウェアによるコンテナ化AIのTanzuによる本番サポートを含むアップデートを実施
- 医療、製造、金融サービスグループが、データが疎らであったり、機密であったり、多様性に欠ける場合に、連合学習を利用した一般化可能なAIモデルで協働することを可能にするSDK、NVIDIA FLAREをオープンソース化
- スタンフォード大学の研究者チームが、NVIDIA Clara™、Google DeepVariant、Oxford Nanopore Technologiesのシーケンサーを使用して、ヒトゲノムの最速DNAシーケンスで世界記録を樹立
Professional Visualization事業
- 第4四半期の売上は、前年同期比+109%、前四半期比+11%の$643Mとなり、過去最高を記録。会計年度の売上高は+100%の$2.1B億となり、過去最高を記録
- NVIDIA Omniverse™ for Creatorsの提供を開始し、数百万人の個人クリエイターが無料で利用可能に
- 世界で最も人気のあるオープンソースの3DクリエイティブアプリケーションであるBlender用のOmniverse Universal Scene Descriptionコネクタの提供を開始
- イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者が、NVIDIA GPU加速度ソフトウェアを使用して、最長かつ最も複雑とされる3D細胞シミュレーションを構築
Automotive事業
- 第4四半期のオートモーティブ部門の売上は、前年同期比-14%、前四半期比-7%の$125M。通期売上高は+6%の$566M
- ジャガー・ランドローバーと複数年のパートナーシップを結び、次世代自動運転システム、さらにAIを活用したサービスや体験を共同で開発・提供
- NIOのET5セダン、XpengのG9 SUV、Pony.aiのロボットタクシー・フリートがNVIDIA DRIVE Orin™を使用していることを発表
- Desay、Flex、Quanta、Valeo、ZFが、自動車メーカー向けに安全で確実なAVシステムを製造するためにNVIDIA DRIVE Hyperion™ プラットフォームを使用していることを発表
- ロボットアプリケーションの構築と展開のための「Isaac Autonomous Mobile Robot」プラットフォームの提供を開始
2023 Q1のガイダンス
2023 Q1売上 結果:$8.1±2%B アナリスト予想:$7.29B CLEAR!
来期の2023年 Q1のガイダンスは市場予想を上回るものでした。これは株価の上昇が期待できます。
- 2023年 Q1 売上高:$8.1B ± 2%
- GAAPベースの粗利益率は65.2%、非GAAPベースの粗利益率は67.0%
- GAAP基準の営業費用は、アーム買収のための前払金$1.36Bを含め、$3.55Bとなる見込み。非GAAPベースの営業費用は、16億ドルとなる見込みです。
- GAAPベースのその他の収益及び費用は、非関連会社に対する投資の損益を除き、ともに約$55Mとなる見込みです。
- GAAP基準の税率は11%、非GAAP基準の税率は13%と、それぞれ±1%となる見込み。
カンファレンスコールの内容
カンファレスコールの内容で上記に記載のない重要なポイントを簡潔にまとめていきます。
- NVIDIA AI Enterprise、NVIDIA Omniverse、NVIDIA DRIVEで新しいソフトウェアビジネスモデルを導入
- 決済のグローバルリーダーであるBlock Inc.は、Square Assistantで会話型AIを使用し、顧客との予約を行っている。これらのAIモデルは、AWSのビデオGPUで学習され、AWS GPサービスとエヌビディアのCPUで10倍の速度で推論を実行可能。
- いくつかの事業でサプライチェーンでの制約があり。23年度に入ってからも、四半期ごとに供給量の改善が期待できる。エヌビディアのオペレーションチームは、サプライチェーンが混乱するなか供給基盤を拡大するという素晴らしい仕事を実行。
- NVIDIA AI Enterpriseのソフトウェアライセンスを提供開始。今回初めて、ライセンス可能なソフトウェアをパッケージ化し、顧客に提供することができた。将来的には、すべてのサーバーにAIソフトウェアが搭載されると考えており、そのAIエンジンをエヌビディアが提供する。
- NVIDIA Omniverseは、仮想世界にコンテンツを提供するクリエイターを対象としており、仮想世界のコンテンツに貢献するロボットに接続するように設計されている。世界には4,000万人のデザイナーやクリエイターがいて、彼らを繋ぐ役目をする
Arm社の買収失敗についてのコメントがありましたね。今後もArmのアーキテクチャーを使って新製品を投入していくようです。
その他ニュース
Arm社買収契約の終了
2022年2月8日、NVIDIAとSoftBank Group Corp. (ソフトバンク)は、NVIDIAがソフトバンクからArm Limitedを取得するための株式売買契約の終了を発表しました。両社は、この取引の完了を妨げる重大な規制上の問題があるため、終了することに合意しました。
2023年度第1四半期に、2020年9月の契約締結時に提供された前払金の償却を反映した$1.36Bの費用を営業費用に計上する予定。
まとめ
半導体メーカーから『Computing Platform Company』 に変貌を遂げたNVIDIA($NVDA)の2022年第4四半期の決算速報を記事にしました。NVIDIAはNEXT GAFAMとして、Facebook(現在のMeta)に時価総額を超えました!今後もテクノロジーの発展に寄与し、どんどん大きな会社になってほしいです!
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