メタバースにAIに深く関連し、多くの方が期待を寄せるエヌビディアの2023年第4四半期の決算速報の記事になります。2023年第2四半期から厳しい決算が続き、叩き売られたエヌビディアですが、最近調子を取り戻してきております。今回の決算でさらに上向きとなるのでしょうか!?
エヌビディアの各事業内容を含め、こちらに詳しくまとめていますのでエヌビディアがどんな会社か興味ある方は是非読んでみてください。
今期の決算については、以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてください。
決算内容
今回の最新の決算と合わせて、これまでの推移を合わせて記載しています。
NVIDIAはやはりAIに注力しており、大手クラウドサービスプロバイダーと提携し、企業がNVIDIAの世界最先端のAIプラットフォームにアクセスできるAI-as-a-serviceを提供しています。すでにOracle Cloud Infrastructureで提供されており、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformなどでも近日中に提供される予定です。
2023年度第4四半期、NVIDIAは自社株買いと現金配当で$1.15Bを株主に還元し、会計年度の還元額は$10.44B。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンセン・フアンから以下コメントがありました。
- AIは変曲点にあり、あらゆる産業に至るまで幅広く導入されるよう設定されています。スタートアップから大企業に至るまで、ジェネレーティブAIの多様性と能力に対する関心が加速しています。
- 私たちは、お客様が生成AIと大規模言語モデルのブレークスルーを活用できるよう支援する体制を整えています。当社の新しいAIスーパーコンピューターは、H100とそのTransformer Engine、Quantum-2ネットワーク・ファブリックを搭載し、フル稼働しています。
- Gaming事業はパンデミック後の低迷から回復しつつあり、ゲーマーはAIニューラルレンダリングを備えた新しいAdaアーキテクチャGPUを熱狂的に受け入れている 。
2023年 4Q エヌビディア 売上高
結果:$6.05B(前年同期比-21%) アナリスト予想:$6.02B Clear!
売上はアナリスト予想をなんとか上回りました。Gamingi事業が厳しく(後述)、全体の成長率は著しく減速しております。
2023年 4Q エヌビディア EPS
結果:0.88$(前年同期比-33%) アナリスト予想:0.81$ Clear!
EPSはアナリスト予想を上回りました😭。前四半期からは取り戻しておりますが、利益的にも厳しい状況がわかります。
各セグメントの売上推移と成長率
Data Center、Automotiveは前年同期比、前期比でプラス成長をしましたが、Professional Visualization、Gaming事業が大きなマイナス成長と厳しい状況です。いずれ1B事業となると言われているAutomotiveは順調に成長しております。ただ、CEOのコメントにもあるように、Gaming事業は回復しつつあるとのことで、ここからの復活に期待したいですね。
単位はMillion $ | 2023 4Q | 2022 4Q | 成長率(前年同期比) |
Gaming | 1,831 | 3,420 | -46% |
Data Center | 3,616 | 3,263 | +11% |
Professional Visualization | 226 | 643 | -65% |
Automotive | 294 | 125 | +135% |
Gaming事業
- 2023年第4四半期の収益は$1.83Bで、前年同期比-46%、前四半期比+16%
- 2023年度通年の売上高は$9.07B、前年比-27%
- ノートPC向けGeForce RTX™ 40シリーズを発表し、性能と電力効率において過去最大の世代間飛躍を実現
- NVIDIA Ada LovelaceアーキテクチャとNVIDIA DLSS 3テクノロジーを採用し、GeForce RTX 3090 Tiよりも高速なGeForce RTX 4070 Tiを発表。
- DLSS 3は、Cyberpunk 2077、Portal with RTX、Marvel’s Spider-Man: Miles Moralesなど、50以上のゲームやアプリで近々利用可能になることを発表
- GeForce NOW™ Ultimateメンバーシップを開始し、NVIDIA Reflex、フルレイトレーシング、DLSS 3でGeForce RTX 4080クラスの性能を実現
- Microsoftと10年契約を締結し、Minecraft、Halo、Flight SimulatorなどのXbox PCゲームラインナップをGeForce NOWに導入。MicrosoftのActivision買収の終了後、GeForce NOWにCall of DutyやOverwatchなどのタイトルが追加される予定
Data Center事業
- 2023年第4四半期の売上高は$3.62Bで、前年同期比+11%、前四半期比-6%
- 2023年度通年の売上高は$15.01B、前年比+41%
- ドイツ銀行との提携を発表し、金融サービス分野でのAI活用を拡大
- Dell Technologiesと共同で、NVIDIA®アクセラレーションを利用できる15台の次世代Dell PowerEdgeシステムを発売し、企業がAIを使用して効率的にビジネスを変革
- NVIDIA A100 Tensor Core GPUが、金融サービス向けの最新のSTAC-MLベンチマークにおいて、比類のないスループットとトップレイテンシーを示したと発表。
Professional Visualization事業
- 2023年第4四半期の売上高は$226Mで、前年同期比-65%、前四半期比+13%
- 2023年度通年の売上高は$1.54B、前年比-27%
- NVIDIA Omniverse™ Enterpriseの機能を強化し、性能の向上、リアルタイムRTXレイ&パストレーシングの世代交代、ワークフローの合理化を通じて、チームが連結した3Dパイプラインを構築し、大規模な3D作品を開発できるように支援
- ロッキード・マーチン社とのコラボレーションにより、世界の気象状況のデジタルツインを構築し、米国海洋大気庁が異常気象を含む地球環境の状況をよりよく監視できるようにすることを発表
- メルセデス・ベンツが製造工程のデジタル化に次のステップを踏み出し、NVIDIA Omniverseを使用して製造および組立施設の設計と計画を行うというニュースを共有
Automotive事業
- 2023年第4四半期の売上高は$294M、前年同期比+135%、前四半期比+17%
- 2023年度通年の売上高は過去最高の903M、前年比+60%
- NVIDIA DRIVE Orin™およびDRIVE Hyperion™をベースとした自動運転および自律走行車プラットフォームの開発におけるFoxconn社との戦略的パートナーシップを発表
- ロボット・シミュレーション・ツール「NVIDIA Isaac Sim™」のAI機能やクラウドアクセスを含むメジャーアップデートをリリースし、リアルな環境での仮想ロボットの構築とテストを可能に
2024 1Qのガイダンス
2024 1Q売上予想 結果:$6.5±2%B アナリスト予想:$6.35B Clear!
来期の2024年1Qのガイダンスは市場予想を上回りました。徐々に回復していきそうですね!
- 2024年 1Q 売上高:$6.5B ± 2%
- GAAPベースの粗利益率は64.1%、非GAAPベースの粗利益率は66.5%(±0.5%)となる見込み
- 営業費用は、GAAP方式及びNon-GAAP方式ともに、それぞれ約$2.53B及び$1.78Bとなる見込み
- GAAP基準および非GAAP基準のその他収益・費用は、非関連会社投 資の損益を除き、約$50Mの費用となる見込み
- GAAP方式およびNon-GAAP方式の税率は、個別項目を除いて13.0%(±1%)となる見込み
カンファレンスコールの内容
カンファレスコールの内容で上記に記載のない重要なポイントを簡潔にまとめていきます。
- NVIDIAのソフトウェアとクラウド戦略について、エンタープライズAIソフトウェアスイートの価格設定について言及。ソフトウェアに関しては順調に進んでおり、NVIDIA AIが今日のAIシステムのOSであり、世界の主要なクラウドサービスプロバイダーでホストされることで、企業がNVIDIA AIエンタープライズを利用する能力が加速される。このビジネスモデルの新たな拡張部分に期待
- データセンターが第1四半期に成長する可能性があり。NVIDIAは10年間でAI処理を100万倍加速し、大規模な言語モデルの開発と能力を民主化するための取り組みを行っている。
- ChatGPTがAIモデルの多様性と能力を内包した素晴らしい作品である。ChatGPTは、英語だけでなく他の言語を話すことができ、プログラムを書くことができるAIモデルであり、プログラミングを民主化することが可能。このタイプのコンピュータは革命的で、世界中の企業を興奮させている。
- データセンター事業は実質的にGPU事業であり、クラウドサービスプロバイダーに販売するのは、大型コンピューターボード。今後も同様に8つのGPUを搭載したHGX GPUを提供することを計画しており、NVIDIA DGX と NVIDIA のインフラをフルスタックでクラウドに導入することで、クラウドサービスプロバイダーにとっても、顧客にとってもエキサイティングなモデルとなると。そして、このモデルによって、NVIDIAはDGX AIスーパーコンピュータを進化させていくが、AIスーパーコンピュータのみならず、インフラからアクセラレーションソフトウェア、NVIDIA AIオープンオペレーティングシステム、AIモデルに至るまで、顧客にとって素晴らしいモデルとなる。
- コンピュータ業界において、ジェネレーティブAIの能力と多様性、ブレークスルーの収束によって、TAMが拡大する可能性が高まっている。また、ChatGPTというプラットフォームが、非常に短い期間で多数のユーザーを獲得し、新しい企業やアプリケーションが生まれることが期待されている。
- H-100の立ち上げが好調。第4四半期に多くのCSPがH-100を注目。
- メルセデス・ベンツのソフトウェア収益について質問し、メルセデスとの共同開発について満足しており、長期的なパートナーとして考えている。メルセデスが全ての車に豊富なセンサーセットとAIスーパーコンピューターを搭載しており、プログラム可能であること
- マルチドメインアクセラレーションコンピューティングプラットフォームであり、CPUとは異なり、あらゆる種類のアプリケーションを加速できる。また、NVIDIAのインストールベースが非常に大きく、それが開発者がNVIDIAのプラットフォームを探し求める理由の一つ。
- アティフ・マリクによる、NVIDIAについてのインタビュー記事の要約です。
- NVIDIAのデータセンター事業について、加速する傾向にあるとの報告があるが、その原動力は市場にH-100やGPUコンピューティング、ネットワーキングを活用した新製品が投入され、ジェネレーティブAIも収益増加の一翼を担うことが期待される。
- AIインフラの数は世界中で増えていくと考えており、NVIDIAはデータセンターを通じてAIを製造する立場にあるため、業界の拡大に貢献できる。
まとめ
半導体メーカーから『Computing Platform Company』 に変貌を遂げたNVIDIA($NVDA)の2023年第4四半期の決算速報を記事にしました。決算発表後は大きく株価が上昇しておりますが、相場が開いてみないとわからないですね。今晩が楽しみです。技術という面ではテクノロジーの発展に大きく寄与する素晴らしい企業なので、私のポートフォリオのエースとしてしっかりとホールドしておきます🙄。
コメント