TwitterのCEOジャック・ドーシーのもうひとつの会社、モバイル決済企業であるSquareの決算速報になります。Squareは米国個別投資家に人気な銘柄で決算には多くの方が注目していると思いますので速報記事を作成しました。
もちろん簡単にSquareという企業の説明もしますので、「Squareってどんな会社?」という方にも参考になると思います。
私は現在、投資歴2年目で約1,000万円を運用しています。運用益は300万円ほどです(投資実績はこちらから)。私自身もSquareポートフォリオ全体の6%ほど保有しています。この銘柄にはかなり期待しています。
Squareってどんな会社?
基本情報
Squareがどんな会社なのか簡単に説明したいと思います。Squareは2019年の米ビジネス雑誌「Fast Comapny」で最も革新的な企業ランキングの金融カテゴリーで1位になった米金融市場の革命児です。
コロナ禍のアメリカでは政府からの給付金の受け取りに使われたことで注目を集めましたね。今後S&P500に採用される銘柄として割と有力かと思います。採用されれば株価はさらなる上昇を遂げるでしょう。
事業概要
Squareは『Seller ecosystem』と『Cash App』この2大事業からなります(下図左:Seller ecosystem、右:Cash App)。日本ではスマホやタブレッドでカード決済を行うリーダーとしての『Seller ecosystem』のイメージの方が強いかと思いますが、Cash Appの方が大きく売上を出しています(ビットコインのおかげ)。それぞれについて簡単に説明していきます。
左図のCash Appの売上の比率には、右図のビットコインも含まれます。
Seller ecosystem
Squareは単なるPOSレジ用の機器を売る会社というわけではありません。Squareはハードウェア(リーダー)からそのPOSシステム、従業員の給料支払いなど幅広く企業を支える仕組みを提供することができます。
POSとは、Point of Sale(販売時点情報管理)といって、販売されたモノの売上実績を単品単位で集計することを意味する。
Cash App
近年、特にコロナ禍から大きな成長を遂げているのがCash Appという個人間送金ができるアプリです。若者を中心に利用者が爆増、米国無料金融アプリでは1位になりました。Cash Appでできることは以下になります。
- 個人間でお金のやりとりができる
- 個時間でビットコインのやりとりができる
- ビットコインや株式の売買ができる
- 買い物の際に決済ができる
銀行口座ではないのですが、送金や決済ができ、その他機能も充実した圧倒的に便利なアプリですね。2021年6月の報告によると、月間稼働ユーザー4,000万人に至りました。これは便利な機能面もありますが、SNSを使った効率的なアプリの宣伝(Cash Appでのお金ばらまきや有名人とのコラボ)、つまりマーケティング戦略がうまくいったのだと思います。さすがTwitterのジャック・ドーシーです。
Cash Appは個人間送金などで後述するPaypalと競合する部分になります。どちらが米国デジタル決算の覇者となるか注目ですね。
直近のニュース(2021年11月)
- NFL選手が給与の一部をビットコインで受け取る(Cash Appとの提携)
- Cash Appが13歳以上で利用可になる(従来は18歳以上)
Squareのチェックすべき項目
Fintechの競合 Paypalとの比較
フィンテック銘柄としてPypalとの比較を簡単にしてみましょう。個人間送金含め便利なアプリによって銀行の立場を脅かす存在として、Paypalの「Venmo」、Squareの「Cash App」は熾烈なバトルをしています。Squareの「Cash App」が後発ですね。
月間稼働ユーザーの推移を比較してみましょう。
少し古いデータですが、Cash Appが勢いよく追い上げていますね。現時点ではUSではSquareの方が月間稼働ユーザーが多いですが、PapypalのVenmoはUSだけではなく、全世界に展開できているため、全世界で見るとSquare(40M)vs. Papyal(403M)とPaypalのVenmoが圧勝です。
決算発表前の時価総額は、11/4現在はPaypal:268.12B vs Square:113.74Bとなっております。Squareがいつ覇権をとり逆転するか期待しながら待ちたいと思います。
Afterpayの買収
Squareは2021年8月にオーストラリアのAfterpayの買収を発表しました。Afterpayは現在話題のBNPLサービスの大手です。
この買収によって「Seller」と「Cash App」のエコシステムをうまく結び付け、店舗と消費者にさらに魅力的な製品とサービスを提供すると述べらています。
BNPL(Buy Now Pay Later)は直訳で「今買って後で払う」となり、クレジットカードに変わる新しい後払い決済として欧米の若い世代を中心に世界各国で利用が伸びています。
簡単に言うと利息を払わなくて良い分割払いのローンです。
若者に人気な決済方法の拡張もさることながら、Afterpayのお膝元のオーストラリアへの足掛かりをSquareは手にしたことも大きいでしょう。今後どのようなシナジーが生まれ、具現化していくのか期待が大きいですね!
決算内容
今回の決算と合わせて、これまでの決算内容もみてみましょう。
売上高
結果:3.84B$(前年同期比+27%) アナリスト予想:4.52B$ MISS!
前期に引き続き売上高をMISS。前期はAfterpayの買収一色で決算MISSの影響を受けずに株価は上昇しましたが、今回はそうはいかないでしょう。それなりの株価へのインパクトはあると予想します。まだ将来性を見ているので、売りはしませんが買い増しをするかは少し悩みますね。
EPS
結果:0.37$(前年同期比+9%) アナリスト予想:0.38$ MISS!
MISSしたのは久しぶりではないでしょうか。今回の決算で特にEPSを外したのが意外でした。株価にどれくらいインパクトがあるのか少し不安になります。
ガイダンス
- Sellerは、2021年10月において、前年同月比および2年間のCAGRベースで力強い売上総利益の成長を見込む
- Sellerは、2021年10月において、GPVは前年同期比42%増、2年CAGRベースでは24%増となる見込みで、2年CAGRベースでは第3四半期の23%増と比較して若干の改善を見込む
- Cash Appは、2021年10月において、月間アクティブ数の増加、エコシステム全体のエンゲージメント、およびキャッシュ・アプリへの流入によって、前年同期比および2年間のCAGRベースで力強い売上総利益の成長を見込む
- 2021年 4Qは非GAAPベースの製品開発費、販売・マーケティング費、一般管理費が2021年 3Qに比べて約115 M$増加する見込み
- 2022年に向けて事業全体に置きな投資機会があると考えている
2021 4Qや2021通年の具体的なガイダンスについては示されていないですね。もう少し数字で情報が欲しかった印象です。
まとめ
TwitterのCEOジャック・ドシーのもうひとつの会社、モバイル決済企業であるSquareの決算速報を記事にまとめました。あわせて、Squareの企業概要も簡単に説明しました。
Squareは米国個別投資家に人気な銘柄で私自身も保有しています。今回の決算の結果は悪く、株価は下がることが予想されます。S&P500入り含め、将来性には期待しているので大きく下がるようであれば前向きに買い増しすることも視野に入れます(かなり悩みますが)。
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