中国版TESLAと名高い中国のEVメーカーNIOの2022年第3四半期の決算速報になります。NIOは以前は日本の個人投資家にとても人気な銘柄でしたが、最近はあまり話題上がりませんね。ですが、まだまだNIOの決算には多くの方が注目していると思いますので決算の速報記事を作成しました。今回は工場の稼働停止の影響や下期での高いガイダンスに対する進捗が気になるところです。
今期の決算については、他に以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてくださいね!
企業の基本情報
車種やNIOの強み、競合の情報などの企業概要はこちらの記事にまとめていますので、気になる方は合わせてご確認ください。
2022年第3四半期 NIO 決算内容
2022 3Q 売上高
結果:1.83B$(前年同期比+32.6%) アナリスト予想:1.77B$ CLEAR!
売上は予想をなんとか上回りました。主にユーザーに提供する製品構成がより多様化した結果、納入台数が増加し売上高の増加とのことです。
2022 3Q EPS
結果:-0.30$(前年同期比-400%) アナリスト予想:-0.16$ MISS!
EPSは予想を大きく下回りました。車両1台当たりの電池コストの上昇や研究開発費やその他費用の増加などによるものです。売上総利益率が低下した主な要因は、売上総利益率の高い自動車排出権販売収入の減少、車両マージンの減少、電力・サービス網への投資拡大によるその他売上マージンの減少によるものです。
利益率が前年同期比、前期比で見ても悪く、赤字が拡大しています。黒字化のマイルストーン通りに進んでいるのかかなり心配です😱。
ガイダンス
結果:$2,442~2,703M アナリスト予想:$3140M MISS!
ガイダンスはミスしましたが、納車台数3Qの約32,000よりかなり多いですね。本当に実現できるのか不安になります。
- 納車台数:43,000~48,000台(前年同期比+71.8% ~ +91.7%)
- 売上:$2,442~$2,703 M(前年同期比+75.4% ~ +94.2%)
CEOとCFOのコメント
William Bin Li (CEO)
NIOの2022年第3四半期の納車台数は31,607台で、前年同期比29.3%の堅調な伸びを示し、四半期ベースで過去最高の納車台数を達成しました。NIO Technology 2.0に基づく新製品をさまざまな市場セグメントに対応させて納入した後、特に9月からET5が店頭に並んでから、ユーザー需要の強い伸びと堅調な足取りが見られ、ET5の納入が2022年第4四半期の全体収益の伸びを大幅に加速させるものと期待しています。高まるユーザーの需要に応え、待ち時間を短縮するために、サプライチェーンのパートナーと緊密に連携し、生産と配送を加速しています。
10月7日に開催されたNIOベルリン2022では、欧州のより多くのユーザーに当社の魅力的な製品と総合的なサービスシステムを紹介しました。現地のユーザーやメディアから絶賛されたことを励みに、ヨーロッパでの今後の業績に全幅の信頼を寄せています
Steven Wei Feng(CFO)
2022年第3四半期は、厳しい市場環境の中、堅調なトップラインの成長を達成しました。”私たちは、コア技術の開発だけでなく、電力ネットワークの拡張に投資することで、グローバルなユーザーコミュニティーのための総合的なユーザー体験を一貫して強化することを目指すとともに、業務の遂行と効率性を継続的に向上させていきます。
財務ハイライト
- 2022年第3四半期の売上高は$1,828Mで、2021年第3四半期から+32.6%、2022年第2四半期から+26.3%
- 2022年第3四半期の車両販売売上は$1,677Mで、2021年第3四半期から+38.2%、2022年第2四半期から+24.7%
- 車両マージンは、2021年第3四半期が18.0%、2022年第2四半期が16.7%であったのに対し、2022年第3四半期は16.4%
- 2022年第3四半期の売上総利益は$243.9Mで、2021年第3四半期から-12.9%、2022年第 2四半期から+29.5%
- 売上総利益率は、2021年第3四半期が20.3%、2022年第2四半期が13.0%であったのに対し、2022年第3四半期は 13.3%
- 2022年第3四半期の営業利益は-$544Mで、2021年第3四半期から-290.2%、2022年第2 四半期から-36.0%
- 株式報酬費用を除いた調整後営業利益(非GAAP基準)は、2022年第3四半期に-$458Mとなり、2021年第3四半期から-348.6%、2022年第2四半期から-38.4%
- 2022年第3四半期の純利益は-$578Mで、2021年第3四半期比-392.1%、2022年第2四半期比-49.1%
- 株式報酬費用を除いた調整後純利益(非GAAP基準)は、2022年第3四半期に-$492Mとなり、2021年第3四半期から-514.2%、2022年第2四半期から-54.3%
- 2022年第3四半期のNIOの普通株主に帰属する純利益は-$582Mで、2021年第3四半期から-44.9%、2022年第2四半期から-50.9%
- 株式報酬費用および償還可能非支配持分の償還価額への増額を除いた2022年第3四半期の調整後普通株主帰属当期純利益(非GAAP)は-$486Mとなり、2021年第3四半期から-507.2%、2022年第2四半期から-58.3%
カンファレンスコール
カンファレスコールの内容をまとめました。
- 9月には、ET5の展示車が店頭に並び、来店客数は過去最高を記録し、受注も好調に推移。9月30日にはET5が正式に納車され、ユーザー満足度は予想を上回る
- この数ヶ月、NT2のデジタルシステムであるBanyanは何度もバージョンアップを繰り返し、継続的にユーザーエクスペリエンスを向上させてきた。NT2をプラットフォームとした新機種の市場競争力には強い自信あり
- 合計1,210基の電源交換ステーションを設置し、1,400万回のバッテリー交換をユーザーに提供。また2,055基の充電ステーションを設置し、5,765基の電力用充電器と6,077基の目的地用充電器を設置
- ET7はドイツの権威ある雑誌「Auto Bild」の2022年度ゴールデン・ステアリング・ホイール賞を受賞。当社の製品および革新的な技術は、いずれも欧州のユーザー、業界専門家、専門メディアから高い評価
- ベルリン、フランクフルト、ロッテルダム、コペンハーゲン、ストックホルムなど欧州主要10都市で新ハウスや新スペースをオープンする予定。また、年末までに20カ所、2023年末までにはさらに100カ所の電源交換ステーションをヨーロッパに設置する予定
- Nvidiaは現在、中国に800チップを販売することができ、自律走行訓練のオペレーション全体への影響はない
- 特に10月下旬にテスラが別の方法で値下げをしたが、当社の製品の価格設定やポジショニングを見れば、それは厳密には、同じセグメントで競合しているわけではない
- 2023年の自動車生産については、需要を満たすために比較的十分な生産能力を有している
- 当社の車両技術、バッテリーやチップセットを含む垂直統合により、車両粗利率の改善余地はさらに広がり、25%から30%の車両粗利率を達成することは可能だと思う
- NIOのコアビジネスについては、2023年の第3四半期にブレークイーブン(損益分岐点)を達成することを目指している。同時に、別の戦略的な新規事業にも取り組んでいる。例えば、2つの新ブランドとバッテリーチップセットとスマートフォン事業を同時に進めています。2023年を見据えた場合、これらの戦略的新事業のための投資は30億元から40億元程度。これらの戦略的な新規事業を除けば、2023年の第4四半期にコア事業のブレークイーブンを達成する自信あり
- 炭酸リチウムのコストが非常に高い水準で推移した場合、自動車の売上総利益率に大きな影響を与える
- 来年の第1四半期、つまり上半期の製品ラインアップとしては、5つの新製品を用意する予定。そのうちの1つがテスラの「モデルY」のようなもの。しかし、当社はすべての製品ラインアップの全体的なボリュームに重点を置いている。現在はプレミアム市場のセグメントに属しているが、多様化するユーザーの需要を高効率で満足させたい。計画中のマスマーケット向け製品は、1モデルでおそらく月5万台以上売れると考えている。
- 私たちは世界で初めてNVIDIAを搭載した製品を発売したが、これは他社よりも6カ月も早いタイミング。NVIDIAとは非常に緊密な連携が取れている。しかし同時に、昨年、ADチップセットの研究開発をすでに開始。ADチップセットの設計をADアルゴリズムで定義できれば、全体の効率が大幅に向上し、車載粗利率にも貢献可能
- 自律走行については、車両粗利や全体の粗利に対する自律走行の貢献度を見るには、もう少し時間が必要。自律走行技術や法規制の成熟には、まだ1~2年かかると思われる。したがって、短期的には、自律走行が車両総利益率や全体の総利益率に大きく寄与することはないだろうと考えている。
納車台数の推移(EVメーカーのKPI)
今期は前年同期比+29%、前期比+26%とそこそこ好調な納車台数でした。来期はガイダンスにも示した通り43,000~48,000台と過去最高を見込んでいるようです。自信があるようですね。
テスラのModel3の対抗馬としてのET5が2022年9月からなので、このタイミングでどれだけ納車台数が増えるのか気になるところです!車種についてはこちらに詳しく記載していますので、ご確認ください。
まとめ
中国版TESLAと名高い中国のEVメーカーNIOの2022年第3四半期の決算速報になります。NIOは以前は日本の個人投資家にとても人気な銘柄でしたが、最近はあまり話題上がりませんね。ですが、まだまだNIOの決算には多くの方が注目していると思いますので決算の速報記事を作成しました。
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