中国版TESLAと名高い中国のEVメーカーNIOの2022年第2四半期の決算速報になります。NIOは以前は日本の個人投資家にとても人気な銘柄でしたが、最近はあまり話題上がりませんね。ですが、まだまだNIOの決算には多くの方が注目していると思いますので決算の速報記事を作成しました。今回は特にNVIDIAのGUPの中国への輸出規制についてどのようなコメントが出るのか要チェックです。
今期の決算については、他に以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてくださいね!
企業の基本情報
詳しくはこちらの記事にまとめていますので、気になる方は合わせてご確認ください。
2022年第2四半期 NIO 決算内容
前期の決算はこちらになります。
ハイライト
- 2022年第2四半期の納車台数は、ES8 3,681 台、ES6 9,914 台、EC6 4,715 台、ET7 6,749 台を含む 25,059 台で、前年同期比+14.4%、前期比-2.8%
- 2022年第2四半期の車両販売台額は$1,428.9Mで、前年比+21.0%増、前期比+3.5%
- 車両マージンは、2021年第2四半期の20.3%、2022年第1四半期の18.1%に対し、2022年第2四半期は16.7%と減少
- 2022年第2四半期の売上高は$1,536.6Mで、2021年第2四半期から+21.8%、2022年第1四半期から+3.9%増
- 2022年第2四半期の売上総利益は$200.1Mで、2021年第2四半期比-14.8%、2022年第1四半期比-7.4%
- 売上総利益率は、2021年第 2 四半期の18.6%、2022 年第 1 四半期の14.6%に対し、2022 年第 2 四半期は13.0%と減少
- 2022 年第 2 四半期の純損失は$411.7Mで、2021 年第 2 四半期から+369.6%、2022 年第 1 四半期から+54.7%。株式報酬費用を除いた調整後純損失(非GAAP基準)は、2022年第2四半期に$338.5Mとなり、2021年第2四半期から+575.1%、2022年第1四半期から+73.1%
2022 2Q 売上高
結果:1.54B$(前年同期比+22%) アナリスト予想:1.42B$ CLEAR!
売上は予想を上まりましたが、売上の成長率が心もとないですね。これは需要の問題なのか、供給の問題なのかが気になるところです。ガイダンスや経営陣のコメントを見るに、2022年後半から巻き返すようなので今後に期待ですね!
2022 2Q EPS
結果:-0.20$(前年同期比-225%) アナリスト予想:-0.18$ MISS!
EPSは予想を下回りました。利益率が前年同期比、前期比で見ても悪く、赤字が拡大しています。黒字化のマイルストーン通りに進んでいるのかやや心配になります。
2021年第2四半期売上総利益率が低下したのは、充電ステーションの投資拡大による車両マージンの減少及びその他売上マージンの減少によるもので、2022年第1四半期からの売上総利益率の低下は、主に車両マージンの減少に起因するとのことです。
車両マージンの減少は、主にバッテリー単価の上昇によるものですが、ET7の販売構成が好転したことにより、一部相殺されたようです。
ガイダンス
結果:$1,918~2,030M アナリスト予想:$2380M MISS!
ガイダンスはミスしました。納車台数は前年同期比と比較するとかなり上でしたが、アナリスト予想はさらに上を見ているようでした。株価の反応はプレで-5%と厳しめです。
- 納車台数:31,000~33,000台(前年同期比+27% ~ +35%)
- 売上:$1,918~$2,030 M(前年同期比+31.0% ~ +38.7%)
CEOとCFOのコメント
「2022年第2四半期の納車台数は25,059台となり、COVID-19関連の課題にもかかわらず、前年同期比で14.4%の伸びを示しました。チームの一丸となった努力により、納車台数は回復に向かい、7月は10,052台、8月は10,677台を達成しました」と、NIOの創業者で会長兼CEOのウィリアム・ビン・リーは述べています。2022年後半は、NIOにとって複数の新製品の生産と納入の規模を拡大する重要な時期です。NIO Technology 2.0(NT2.0)をベースにした当社初の中型5人乗りスマート電気SUV「ES7」は、優れた性能、快適性、デジタル体験で市場の新しい人気商品となりました。ES7」は好調な受注を記録し、8月から本格的な納車を開始しました。また、9月下旬にはET5の量産・納入を開始する予定です。魅力的な製品ポートフォリオと確立されたブランド認知度により、NIOはより多くのユーザーを引き付け、今後数四半期で力強い成長を遂げるでしょう。
NIOの最高財務責任者(CFO)であるSteven Wei Fengは、「2022年第2四半期は、多大な困難とコスト変動にもかかわらず、堅実な財務結果を達成することができました」と述べています。”8月にET7がヨーロッパに出航し、今年後半にはより多くの国のユーザーが当社の新製品とサービスを体験することになります。世界市場で高まるEVの需要に応えるため、私たちはパートナーと緊密に連携し、新製品の生産と納入を強化しています。また、高い経営効率で世界のプレミアム・スマート電気自動車市場でのシェアをさらに拡大することを期待しています。”
市場はかなり期待していたようですね。。。2022年後半からの巻き返しに期待です!
カンファレンスコール
カンファレスコールの内容をまとめました。
- NT2.0プラットフォームをベースにしたET7、ES7、ET5の納入と生産の増強により、車両納入が力強い成長を見せ、2022年のES8、ES6、EC6のアップグレードにより、2022年第3四半期の総納車台数は31,000~33,000台になる見込み
- NT2.0プラットフォームを採用した最初の製品であるET7が、業界をリードするソフトウェアとハードウェアのプラットフォームとスマートなデジタル体験により、中・大型プレミアムセダン分野で強い商品競争力を発揮
- NT2.0をベースにしたET5と中型スマート電気セダンの総合競争力は同じセグメントの同業他社をはるかに凌駕(純粋で先進的なデザイン、究極の性能、卓越したインテリジェントな体験により)。ET5が最も人気のある中型プレミアムセダンの一つになることを確信。ET5は、9月9日から受注を開始し、9月30日に最初の納入となる予定
- 販売とサービスのネットワークについては、現在、世界149都市に395の新居と新スペース、世界151都市をカバーする263の新サービスセンターとデリバリーセンターを保有
- 充電・交換ネットワークについては、高速道路の電源交換ネットワークを構築し、中国国内の縦5本、横3本の高速道路と4つの都市圏をカバー。高速道路沿いの285カ所を含む1,094カ所の電源交換ステーションを設置し、ユーザーのために1,200万回以上のバッテリー交換を完了。同時に、5,341基の充電器と5,466基の目的地充電器を含む1,873基の充電ステーションを設置し、5,600以上の第三者充電器と接続して、86万回以上の電力サービスを提供。
- NIOのスワップステーションは、効率的な充電設備であるだけでなく、バーチャルな発電所としての役割も担う。この夏、私たちは100以上のステーションで、各都市の電力網のピークカットに対応。一方、最大で60%のステーションが、オフピーク時に電力消費を増加させるオフピーク充電に定期的に取り組み、エネルギー節約と排出削減をサポート。NIOパワースワップステーションは、より多くの地域で電力大需要反応と光充電をサポートを継続
- 世界市場については、8月に新型ET7がヨーロッパに出荷。今年はドイツ、オランダ、デンマーク、ノルウェーで新製品の受注とユーザーへの配送が行われる予定
- マクロのコスト要因としては、歩留まりが想定を下回っており、ユーザーへの納車に影響が出ています。10月には、この問題を一気に解決できる予想で、第4四半期の納期には自信があり、通期の納期目標も達成できると確信。
- AI学習用チップセットに関連する米国での出荷について、NIOの事業運営に影響を与えることはないと考えている。自律走行技術では、AIトレーニングの面では、現時点ではオーバーコンピューティングパワーで十分であり、パートナーであるNVIDIAと非常に緊密に連携。また、中国には多くのAIチップセットメーカーがあり、データチップセットの大量生産に取り組んでおり、AI学習用チップセットについて、別の種類の技術ソリューションを評価。基本的には、当社の長期的な戦略に影響を与えるものではないと考えている。これらすべての主要なコア技術において、フルスタックの自社能力を構築することが目標。このように能力を高めていくことで、政治的リスクや規制リスクを軽減でき、技術力を向上させ、売上総利益率も向上させることができると考えている。
- 第4四半期からは、2つの工場を稼働させ、納期をサポートできるようになり、毎月のように記録を更新していく予定で、第4四半期の記録更新の目標達成を確信。この目標達成のために積極的な準備を進めています。
- ES7については、受注実績が我々の予想をはるかに上回っている。ET5については、サプライチェーンの生産能力によって納入待ち時間がかなり長くなっている。
- ET5は1ヶ月で1万台を突破するチャンスがあると信じている。11月、12月は、前月比で納車台数の記録を更新することになる。特に12月はピークを迎える。
- 米国市場参入のため、明確な計画を立て、その計画や戦略に基づいて包括的な準備を進めている。米国市場は中国市場や欧州市場と大きく異なるため、長期的な視野で考えており、総合的な準備と忍耐が正しい戦略と考える。
- 150キロワット時の半固体電池パックについては、この電池パックは非常に高い出力密度を実現しているが、第4四半期にこのサービスをユーザーに提供することはできないと考えている(予定より数カ月遅れ)
- 量販店ブランドの研究開発の進捗は順調。量販店向け製品については、最新のテクノロジープラットフォームである「NIO Technology Platform 3.0」のスケジュールと歩調を合わせて発売する予定。革新的な技術とビジネスモデルを組み合わせることで、より幅広いユーザーグループやコミュニティへの異なる種類の製品提供が可能になると考えてる。
納車台数の推移(EVメーカーのKPI)
四半期ごとの納車台数の成長率が鈍化していることが確認できます。来期は30,000~33,000台ということで、過去最高を見込んでいるようです。それを上回る納車台数を期待しちゃいますね!
テスラのModel3の対抗馬としてのET5が2022年9月からなので、このタイミングでどれだけ納車台数が増えるのか気になるところです!車種についてはこちらに詳しく記載していますので、ご確認ください。
まとめ
中国版TESLAと名高い中国のEVメーカーNIOの2022年第1四半期の決算速報になります。NIOは以前は日本の個人投資家にとても人気な銘柄でしたが、最近はあまり話題上がりませんね。ですが、まだまだNIOの決算には多くの方が注目していると思いますので決算の速報記事を作成しました。
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