ブロックの2022年第2四半期の決算発表をまとめました。ここ最近は相場全体、特にテクノロジー株が回復基調にあるなか、ブロックも徐々に株価は上昇してきております。ただし、現在でも52週の最高値から約70%の下落となっており、厳しい状況にはあります。私はブロックの長期ホルダーなので今回の決算で株価がどのように推移するか気になるところです👀。
元TwitterのCEOであるジャック・ドーシーが二足の草鞋を履くのを辞め、一本集中した「Blockってどんな会社?」という方は以下の記事が参考になると思います。
今期の決算については、他に以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてくださいね!
2022 Q2 ブロック 決算内容
2022 Q2 ブロック 売上高
結果:4.40B$(前年同期比-6%) アナリスト予想:4.33B$ Clear!
なんとかアナリスト予想を上回りました。売上が前年同期でマイナスとなっている点に関しては、ビットコインの収入の影響もあるためです。以下にビットコインを除いた成長率を記載しています。
各事業の売上高
ビットコインがやや不安定要素なので、基本的にはビットコインを抜いた売上成長率を見るべきかもしれません。ビットコインとを除いてみるとしっかりと右肩上がりなのがわかると思います。ビットコインを除くと前年同期比+34%です。少し成長率としては低くくなった印象ですが。
2022 Q2 ブロック EPS
結果:0.18$(前年同期比-73%) アナリスト予想:0.16$ Clear!
売上高同様なんとかアナリスト予想を超えました。総利益は$1.47Bと前年同期で+29%と利益を拡大しています(内訳は以下)。
- Cash App:$705M 前年同期比+29%
- Square:$755M 前年同期比+29%
2022 Q2 ブロック ガイダンス
今後の見通しに関する記載は少なかったですが、以下にまとめます。
- 7月のSquareのGPVは、前年同月比+18%となる見込み(3年CAGRベースでは、7月のGPV成長率は+23%)
- 7月のBNPLプラットフォームを除くCash Appの売上総利益は、月間トランザクションアクティブの増加、エコシステム全体でのエンゲージメント、Cash Appへの流入により、前年比および3年間のCAGRベースで増加する見込み
2022 Q3や2022通年の具体的なガイダンスについては示されていないですね。
各事業のハイライト
Cash App
以下にポイントをまとめます。やはり、Cash Appはユーザーにとって価値のあるものを提供すること、そしてビットコインを一般に普及させることを心がけていると思います。
- Cash Appのビジネスを推進するために、「コミュニティ」、「金融サービス」、「暗号資産」、「オペレーティングシステム」、「トラスト」、「コマース」、「グローバル」を開発の柱としている
- Communityの柱は、Peer-to-Peer決済を基本とし、新しい顧客層を開拓し、既存の顧客層をさらに取り込むことによって、ネットワークの強化に注力
- 6月には、Cash Appで取引されたアカウント数は4,700万に達し、アクティブ率は毎日上昇
- 歴史的に見ても、アクティブの維持率とネットワークの規模には強い相関関係があり、キャッシュアプリ内でお客様同士がつながる機会を増やす施策を継続
- アクティブな顧客1人あたりの流入額を増やすことは、Cash Appの売上総利益の成長にとって重要な要素
- 6月にラウンドアップ(金融サービス)を開始。Cash App Cardを使うたびに、小銭を好きな株やビットコインに投資可能にし、投資をより身近な存在にすることを目的とする。
- 6月にCash App Borrowを利用する月間利用者数が100万人を達成。クレジット商品であるCash App Borrowは、顧客が少額の手数料で短期融資を利用でき、最大600ドルまで、分割払いまたは現金化した金額の一定割合で返済することが可能
- コマースは第2四半期に、Cash Appの新しいオペレーティングシステムを導入(Discoverタブ)。このタブは、キャッシュ・アプリ・ペイ、アフターペイ、ブーストなどのコマースサービスをより目立たせ、お客様が友人や会社など気になるものを見つけるのに役立つ、よりまとまりのある顧客体験を提供。Cash Appのお客様をAfterpay加盟店に誘導するための第一歩であると確信
Square
Squareは海外展開に力を入れるようです。もちろん日本にもSquareは上陸していますね。
- 「オムニチャネル」「高級化」「グローバル展開」という3つの戦略的優先事項に引き続き注力
- 5月には、米国とオーストラリアの販売者を対象に、Afterpayによる対面でのBNPL(Buy-Now-Pay-Later)を実現
- Afterpayのオムニチャネル消費者は、2021年にはシングルチャネル消費者よりも取引頻度が高く、消費額も3倍以上になると言われており、これは売り手にとって大きなインパクトになると推測
- Afterpayはプレステージ・ビューティー小売業のセフォラとの新しいオムニチャネルBNPLパートナーシップを発表し、健康・美容分野は、過去12カ月間でAfterpayのGMV全体の11%を占め、最も強力なエンゲージメントを獲得
- 第2四半期は、中堅セラーが大きく成長し、売上総利益は前年同期比+24%増
- 中小企業は業種に特化したニーズを持っていることが多く、そのニーズに合わせたソリューションを提供
- 飲食業は、過去5年間、売上総利益ベースで最も成長した業種であり、Square for Restaurantsは煩雑な販売者に支持され、大きな成長を遂げた。2022年の最初の6カ月間、Square for RestaurantsのGPVは、前年同期比で2倍以上に増加。
- Square for Restaurantsは、ファーストパーティとサードパーティの両方を統合したソリューションで、POSからデリバリー注文、チーム管理まで、レストランのあらゆるオペレーションを可能にすることで差別化
- 第2四半期には、レストランがテーブルサイドや行列からシームレスに注文や支払いを行えるようにする新しいモバイルPOSソフトウェアソリューションで製品群を拡張し、メニューのインポートと自動メニュー作成を可能にするサードパーティマーケットプレイスを立ち上げ
- 海外市場全体で44の製品を発売し、製品のパリティ格差の解消を大きく進めるとともに、新しい市場での発売を開始
- 第2四半期には、アイルランドとフランスでSquare Register、フランスとスペインでSquare for Retail、日本でSquare Appointmentsを発売
- 第2四半期には、オーストラリアでInstant Transfersを導入し、販売者向けバンキング製品の拡大を継続
2022 Q1 ブロック カンファレンスコール
カンファレスコールのポイントをまとめました(主に質疑応答)。
- 投資と収益性のバランスを取る。特に不確実性に適応するため、効率の悪い裁量的な営業費用の一部を削減することにより、規律を維持。今年度末から2023年度にかけての計画を立てる際にも、同じようなレベルの厳しさで臨む。長期的な収益性の向上に重点を置く
- Cash AppのDiscoverタブは最終的に世界中の加盟店、特に地元の加盟店にビジネスだけでなく商品やサービスも含めて、これまで人々が知ることができなかったものを発見する機会を作ることが目的。友人や家族、周りのビジネス、興味のある商品やサービス、Boostのようなオファーなど、すべてを一箇所で知ることが可能。Afterpayは、そのためのソリューションで、Afterpayの加盟店だけでなく、Squareのエコシステム全体との接続にも大きなチャンスがあると考えており、この2つのエコシステムをつなげることが強み
- 第2四半期では、Squareのビジネスボリュームの3分の2は、年間GPV125,000ドル以上の大口顧客によるもので、こうした大口顧客は不況に強いと言える。また、「Square」ビジネスにおける大口顧客や幅広い顧客層の維持は、小口顧客を含めても、第2四半期から7月にかけてGPVと売上総利益にプラス。
- 商取引や決済だけでなく、カスタマー・スタッフや銀行業務など、お客様に提供する商品の多様性が、販売者の定着率を高め、複数の価値を提供することにつながっている。
- 中堅企業の販売代理店への展開が進むにつれ、より多くの製品を採用。中堅企業の販売者は、平均して当社のエコシステムで4つの製品を採用。複数のツールや顧客に提供できる価値で採用され、またレジリエンス(回復力)を高めることができている。
- Blockの商品のユニークな構造は、顧客の資金調達を簡素化し、返済を容易にするために設計されたもの。これらの商品は一般的に期間が短く、返済のプロセスが簡素化されており、商品によっては返済の優先順位が1番になる。Square Loansは1年未満、Afterpayは年15回、平均4〜6週間、Cash App Borrowも同様に平均1ヶ月未満の返済期間。つまり、Blockはリスクロスを管理することに重点を置き、これらのビジネスをどのように運営するか、また商品ごとに引受の意思決定を行うことで、ダイナミックな環境の中でより前面に立つことができるようになった。
- Afterpayの買収により、Cash AppとSquareの2つのエコシステムを統合し、多くの相乗効果が得られると信じている。これは、同業他社にはない、このパートナーシップの最も強力な側面だと考えている。同業他社は、Buy Now、Pay Laterのような1つの側面に焦点を当て、これらすべてのもの、特に消費者と販売店側とのつながりに焦点を当てていないことが多い。
- 引き続き注力したい重要なことのひとつは、ユーティリティの多様性を確保すること。例えば、景気刺激策やピアツーピアの機能など、特定の目的のために利用されることがあるが、ピアツーピア取引や投資、ビットコイン、融資など、ひとつのことだけにフォーカスしているわけではなく、それらすべてのことができる場所。
- Cash App(消費者)とSquare(販売者)この2つを1つの会社に持っているという事実が、私たちのスーパーパワーであると信じている。長期的に見れば、市場やマクロ環境には波があり流れがあるが、Blockの強みはある特定のユースケースや特定のユーティリティに依存するのではなく、それらすべてを提供しているという事実。そして、1つのユースケースが衰退しても、他のユースケースは衰退することはない。お金との関係や、経済における人々の経済的なエンパワーメントが重要であることは明らかであり、私たちは複数の方法で彼らに貢献したいと考えている。そして、この関係性こそが強みであり、回復力であると考えている。最終的には、それが新規顧客の獲得につながるだけでなく、長期的な顧客維持にもつながると考えている。
- パートナーシップやマーケティングなど、他にもさまざまな機会があり、特にCash Appでは非常にクリエイティブな取り組みを行っている。世界中のさまざまな有名人やアーティストとパートナーシップを結んでいるが、人々が毎日使いたいと思うようなユースケースなのか、人々に価値を提供しているのか、ということに帰着する。これはCash Appのモデルであり、Squareや、TIDALやTBDを含むBlockのエコシステムのモデルでもある。
まとめ
ブロックの2022年第2四半期の決算発表をまとめました。市場の反応はイマイチですね😭。フィンテックというのはまだ新しい分野なのでこれからの成長にも期待したいですね。フィンテックのリーダーとしてブロックには引っ張っていってほしいです。引き続き鬼ホールドいたします。
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