メタバースにAIに深く関連し、多くの方が期待を寄せるエヌビディアの2023年第1四半期の決算速報の記事になります。2022年第4四半期は素晴らしい決算を叩き出したエヌビディアですが、暗雲漂う今期はどのような結果になったのかみてみましょう!
エヌビディアの各事業内容を含め、こちらに詳しくまとめていますのでエヌビディアがどんな会社か興味ある方は是非読んでみてください。
今期の決算については、以下の企業をまとめています。興味がある企業はチェックしてみてください。
決算内容
今回の最新の決算と合わせて、これまでの推移を合わせて記載しています。
エヌビディアは、「AI、デジタル生物学、気候科学、ゲーム、クリエイティブデザイン、自律走行車、ロボット工学など、現在最もインパクトのある分野の進歩を後押ししています」と述べています。
「私たちは、事業全体に強い勢いがあり、NVIDIA AI、NVIDIA Omniverse、NVIDIA DRIVEによる新しいソフトウェアビジネスモデルで素晴らしい牽引力をもって新年を迎えています。GTCでNVIDIAコンピューティングの新製品、アプリケーション、パートナーを多数発表する予定です」とのアナウンスもありました。
1つ前の決算(2022年第4四半期)はこちらになります。
2023年 Q1 エヌビディア 売上高
結果:$8.3B(前年同期比+46%) アナリスト予想:$8.12B CLEAR!
売上は見事に予想を上まりました。この時価総額の大きい企業で成長率も前年同期比+50%近くと高い水準であると思います。データセンター事業の成長率が著しいです(後述)。
2023年 Q1 エヌビディア EPS
結果:1.36$(前年同期比+49%) アナリスト予想:1.30$ CLEAR!
EPSもアナリスト予想を上回りました。各事業でしっかりと利益を生み出した結果でね。売上拡大と共に利益を伸ばしていて素晴らしいと思います!
各セグメントの売上推移と成長率
Gaming、Data Centerで過去最高の売上高を記録しました!
前年同期比でみると、以下の通りです。主力のData Centerも+83%としっかりと成長し、セクター別の売上でTOPとなりました。
単位はMillion $ | 2023 Q1 | 2022 Q1 | 成長率 |
Gaming | 3,420 | 2,760 | +31% |
Data Center | 3,750 | 2,048 | +83% |
Professional Visualization | 622 | 372 | +67% |
Automotive | 138 | 154 | -10% |
Gaming事業
- 2023年第1四半期の売上は、前年同期比+31%、前四半期比+6%の$3.62Bと過去最高を記録
- 史上最速のコンシューマ向けGPU、GeForce RTX® 3090 Tiを発表
- Dying Light 2 Stay Human、Ghostwire、Shadow Warrior 3など、NVIDIA RTXに最適化された15タイトルを新たに発表(最適化されたゲームは250本以上)
- GeForce NOW™の月額プランでRTX 3080クラスのストリーミングにアクセスできるようになったことを発表
- GeForce NOWライブラリを拡張し、Lost Ark、Need for Speed: Heat、Life is Strangeを含む100以上のゲームを追加(合計1,300本以上)
- iOSのSafariウェブブラウザとGeForce NOW Androidアプリを通じてストリーミングするモバイルデバイス用のタッチコントロールを備えたGeForce NOWでFortniteの配信が可能
Data Center事業
- 2023年第1四半期の売上高は、前年同期比+83%、前四半期比+15%増の$3.75Bと過去最高を記録
- 前世代と比較して桁違いの性能向上を実現したNVIDIA Hopper™ GPUアーキテクチャ、800億個のトランジスタを搭載した初のHopperベースGPUであるNVIDIA® H100 Tensor Core GPU、この専用AIインフラの第4世代であるNVIDIA DGX™ H100システムなどを発表
- Arm®ベースのNVIDIA Grace™ CPU Superchipを発表。2つのCPUチップを高速かつ低レイテンシーの新しいチップ間インターコネクトであるNVLink®-C2Cでコヒーレントに接続
- 台湾の大手コンピュータメーカーが、NVIDIAのGrace HopperおよびGrace CPU Superchipを搭載したシステムの第一陣を、2023年前半の発売に向けてリリースすることを発表
- 世界初の400Gbpsエンドツーエンド・ネットワーキング・プラットフォームであるNVIDIA Spectrum™-4を発表し、大規模なデータセンター・インフラに必要な極めて高い性能と強固なセキュリティを実現
- スピーチ、推薦システム、ハイパースケール推論などのためのエンタープライズ対応ソフトウェアを含むNVIDIA AIのメジャーアップデートと、NVIDIAのパートナーによるAIアプリケーションのパフォーマンスと信頼性の確保を支援する新しいNVIDIA AI Acceleratedプログラムを発表
- NVIDIA OVX™を発表 – Omniverseで産業用デジタルツインを作成するための専用でスケーラブルなサーバーリファレンスデザイン – 高性能GPUアクセラレーションによる計算、グラフィックス、AIを高速ストレージアクセス、低レイテンシーネットワーキング、高精度タイミングと組み合わせている
- 幅広い分野にわたるライブラリ、ツール、テクノロジーのNVIDIA CUDA-X™コレクションに60以上のアップデートを発表
- NVIDIA Clara™ Holoscan MGXを発表。これは、医療機器業界がエッジでリアルタイムAIアプリケーションを開発・展開するためのプラットフォームで、必要な規制基準に適合するように設計
- Microsoft Azureと協力し、NVIDIA vGPUソフトウェアとNVIDIA A10 Tensor Core GPUを使用したスケーラブルな仮想化クラウドの提供をプレビュー。
- The Kroger Co.との戦略的コラボレーションを発表し、AI対応アプリケーションとサービスを使ってショッピング体験を再構築
- フロリダ大学の学術医療センターであるUF Healthと提携し、合成臨床データを生成するニューラルネットを開発
Professional Visualization事業
- 2023年第1四半期の収益は$622Mで、前年同期比+67%、前四半期比-3%となった
- ワークステーション用の新しいNVIDIA AmpereアーキテクチャRTX GPUを追加し、AIとレイトレーシング技術へのアクセスを拡張
- NVIDIA Omniverse™に即座にアクセスできるOmniverse Cloudサービスを発表。来年の提供開始時には、どこからでも大規模な3Dシーンの共同編集が可能
- Amazon Roboticsが、倉庫の設計を最適化し、よりインテリジェントなロボットソリューションを訓練するために、Omniverse Enterpriseを使用して、倉庫のAI対応デジタルツインを構築していることを発表
Automotive事業
- 2023年第1四半期のオートモーティブの売上高は$138Mで、前年同期比-10%、前四半期比+10%となった
- 35社以上の自動車メーカー、トラックメーカー、ロボットタクシー会社に採用されたNVIDIA DRIVE Orin™自律走行車用コンピュータの生産を開始
- Lucid Motors社およびBYD社との契約締結を発表し、今後6年間で$11Bを超える自動車設計の受注パイプラインを構築
- 安全性を向上させながら、最高レベルの自律性を実現するために設計された、DeepMap測量マッピング技術を一部基盤とするマルチモーダル・マッピング・プラットフォーム、NVIDIA DRIVE™ Mapを発表
- MLPerfベンチマークでデビューしたNVIDIA OrinでAI推論における記録を樹立し、平均2倍のエネルギー効率で先行製品よりも最大5倍高速に動作
- NVIDIA Jetson™ AGX Orin開発者キット(製品版モジュールは7月に出荷)と、自律移動ロボットの開発を加速させるために構築された最先端のAIコンピュートおよびセンサーリファレンスプラットフォームであるIsaac Nova Orinの提供を開始することを発表
2023 Q2のガイダンス
2023 Q2売上予想 結果:$8.1±2%B アナリスト予想:$8.44B MISS!
来期の2023年 Q2のガイダンスは市場予想を下回りました。これは株価に影響がでそうですね、悪い意味で。。。
- 2023年 Q2 売上高:$8.1B ± 2%
- ウクライナ危機、COVID19による中国のロックダウンに関連する500Mの減少を見込んでいる
- GAAPベースの粗利益率は65.1%、非GAAPベースの粗利益率は67.1%となる見込み
- GAAP基準の営業費用は、$2.46Bとなる見込み。非GAAPベースの営業費用は、$1.75B億となる見込み
- GAAPベースのその他の収益及び費用は、非関連会社に対する投資の損益を除き、ともに約$40Mとなる見込み
- GAAP基準、非GAAP基準の税率は12.5%±1%となる見込み
カンファレンスコールの内容
カンファレスコールの内容で上記に記載のない重要なポイントを簡潔にまとめていきます。
- ウクライナ戦争、中国のCOVID19によるロックダウンの影響により、年後半に予定されている新アーキテクチャーの移行に向けた準備に何らかの影響が継続するものと考え、第2四半期はゲーミング事業の売上が前四半期比で減少すると予想
- 2023 年度第 2 四半期の見通しについて、ロシアと中国のCOVIDロックダウンに関連する約$500Mの影響を想定。ロシアと中国における売上減少の影響は、第2四半期のゲーミングの売上に$400M影響すると試算。データセンターの第2四半期は、ロシア向けの販売がないため、$100Mの影響を受けると予想。データセンターとオートモーティブの前四半期までの好調な伸びは、ゲーミングの前四半期までの落ち込みを上回る見込み
- 今後数四半期にわたり、複数の新しいGPU、CPU、DPU、SOCの四半期製品を発売し、顧客の需要に対応するために供給を増強
- 第1四半期に、$2Bの自社株買いを実施しました。当社の取締役会は、2023年12月まで総額$15Bを上限に普通株式を追加取得する予定
- Omniverse は現在、商業ライセンスとして展開されているが、まだその初期段。Omniverseエンタープライズ版をリリースしてから、もう2、3四半期で、世界のトップ100社のうち10%がすでに顧客であり、ライセンス契約をしている。さらに多くの企業が評価中で、20万回近くダウンロードされており、700社ほどで試用中。
- 第1四半期にO-RANの量産出荷を開始。O-RANは、ロボティクス・プロセッサーで、ソフトウェアで定義されたロボットカーやロボットピックアンドプレーサー、ロボットムーバー、ロジスティクスムーバー向けに設計
まとめ
半導体メーカーから『Computing Platform Company』 に変貌を遂げたNVIDIA($NVDA)の2023年第1四半期の決算速報を記事にしました。来期のガイダンスは弱く、今回の下落は厳しいことになりそうですが、今後もテクノロジーの発展に寄与し、どんどん大きな会社になってほしいです!私のポートフォリオのエースとしてしっかりとホールドしておきます🙄
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